小池徹平 大変なときだからこそ「挑戦を忘れず」人を楽しませたい
俳優 小池徹平(こいけてっぺい)
■プロフィール
俳優、歌手。2002年俳優デビュー。ミュージカル『1789-バスティーユの恋人たち』『KinKy Boots』で第42回菊田一夫演劇賞を受賞。近年はドラマ『大恋愛~僕を忘れる君と~』『ギルティ~この恋は罪ですか?~』『書けないッ!?~脚本家 吉丸圭佑の筋書きのない⽣活~』、映画『半径1メートルの君』に出演。
「第14回ジュノンボーイ」で芸能界に入り、役者・歌手として活躍する中、2020年にはYouTubeで「小池さん家のてっちゃんねる」も開設し、活躍の幅を広げる小池徹平さん。また一方ではコロナ禍で主演舞台が中止になり苦しんだ1年でもあった。今回の舞台、『魔界転生』やコロナ禍での仕事への想いなどを伺った。
人生経験がそのまま出る刺激的なお仕事
高校1年生のときに、新聞に載っていた映画のオーディションがきっかけで芸能界に興味を持ちました。当事、ほんの軽い気持ちでオーディションを受けに行ったのですが、本気で映画に出たい人がたくさんいて、同世代でこんなに夢を持っている人がいるのだということに衝撃を受けました。それでも運よく大阪代表に選ばれたのですが、東京での最終審査に落ちてしまいました。そのときに、これまでの人生で感じたことのない悔しさを感じました。この経験がきっかけとなって、自分はこの仕事に興味があるのかもしれないと思い、芸能界に入ろうと決意しました。
この業界に入って感じることは、仕事をしていることが楽しいから続けられているなと思います。個性ある俳優さんがたくさんいらっしゃる中で、自分はいろいろな役をこなせる役者になりたい。その方が出会える作品も多いはずだと思っています。経験を積む中で、新しい一面を見せていったり、それをどう発信していくかを考えるのは難しいことだと思っています。周りから良かった、楽しかったと言ってもらうために、努力の積み重ねが必要で、大変なこともあります。年を重ねるごとに役も変わっていきます。人生経験を積んで、勉強をしていくことで自分の引き出しも徐々に増えていきます。そしてその引き出しは何個あってもいいと思っていますので、新しいことに対してもアンテナを立ててどんどん取り入れていきたいと思っています。それは大変でもありますが、本当に楽しいことでもあります。そして取り入れたものが仕事に反映され、うまくいったときはさらに嬉しいなと思います。
2020年はコロナに大きく揺さぶられた1年でしたが、趣味が仕事につながるきっかけを得た1年でもあったと思っています。皆さんもコロナの中で不満や不安がたくさんあると思いますが、何とか楽しさを見つけてやっていこうともがいているはずです。それは僕たちも同じです。自分でなんとか切り開いていかなくてはいけないという気持ちがありました。そして今回、「小池さん家のてっちゃんねる」をYouTubeで配信するという機会をいただくことができたのです。もともと自分で動画を回すことが好きだったし、趣味でやっているダイビングなどの動画もアップし、皆さんと共有しながら楽しんでいけたらいいなと思います。このような、自分の好きなものや生活を自分で配信できるようになったのは本当に良かったです。何でも挑戦することが大事です。もっと自分の人間性を知ってもらえたらいいなとも思っています。役者以外のこともやっている、この人面白いなと思われる仕事もやっていきたいです。
少しずつですがコロナ禍でも演劇界は動き始めています。皆さん暇なときなどドラマを見たりするかと思うのですが、やはり「役者」という仕事はなくならないなと改めて思いました。役者は元気を与えることができる仕事だと思います。これからも頑張っていきたいです。
生で演じる空気を感じてほしい
去年の12月ごろですが、たまたまいろいろな仕事が重なっていたのですが、それぞれの現場でそれぞれの色があります。たとえば、舞台は一度始まったら止められない、一発勝負の緊張感がすごいあって、そこを乗り越えたときの達成感はたまらないものがあります。また一方でドラマは、映像として残るということや、何度も同じ演技をするということもあって、本当に集中力がいります。どちらも楽しいですね。
『魔界転生』も写真撮影や取材を受けている中で、気持ちが入っていって気分も高まっています。今回、舞台の資料をいただいて前回のものを観させてもらったのですが、舞台は時代劇なのにプロジェクションマッピングといったような現代技術がすごく駆使されていて、SFチックなエンターテインメント性の強い舞台になっているんです。ここ数年、僕自身は舞台の仕事はしていたのですが、ミュージカルの仕事が多くて、歌のない舞台はほとんどやったことがなかったのです。それだけに今回のお話は本当に嬉しかったです。
コロナ禍で難しいところはありますが、皆さんにもぜひ生のお芝居の良さを知ってもらいたいなと思っています。映像も素敵ですが、やっぱりお芝居を肉眼で見て、空気感を感じてほしいと思います。ぜひ舞台に足を運んでみてください。演劇がもっと身近なものになって、皆さんに遊びに来てもらえる劇場づくりができたらいいなと思っています。
心に残る一生の思い出を共有してほしい
周りの人との思い出をどんどん増やしてほしいです。そしてどんどん本音でぶつかっていってほしいなと思います。コミュニケーションがとれる機会があるというのは大事なことです。暗い気持ちになったときはお互いに励まし合ったり、馬鹿なことして楽しんだり。どんな過ごし方をしていても思い出として残るんですよね。勉強とかはぼんやりとしか覚えていないのですが、どんな遊びしたかとかは心で覚えています。今は直接会える機会は少ないけれど、オンラインで顔を合わせることもできるようになったし、そういうことがモチベーションにもつながるし、本当に楽しい。どんな形でも仲間とぶつかり合って、嬉しいとか楽しいと思うことをどんどん共有してほしいなと思います。その一つに演劇加わってくれればと思っています!
中高生新聞2021年4月号 津田塾大学3年 川浪亜紀
18年初演で大ヒットしたエンターテインメント時代劇の再演。天草四郎をはじめ、名だたる剣豪たちが妖術で蘇り、徳川幕府と対決する。
原作/山田風太郎(角川文庫刊) 脚本/マキノノゾミ 演出/堤 幸彦 出演/上川隆也 小池徹平 藤原紀香 ほか
4/7~4/11愛知・刈谷市総合文化センター
4/16~4/28福岡・博多座
5/4~5/28東京・明治座
6/2~6/10大阪・新歌舞伎座
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